ロベルト・ピネイロ・マチャード

 

研究業績

 

著書 5冊

 

書物 1:

『ブラジルの歴史:文化、社会、政治 1500–2010』 

2017年 Cambridge Scholars Publishing(イギリス)(原文英語、485頁)

ブラジルの歴史の学際的入門。政治、経済、国際関係、社会、文学、音楽、芸術などが解析的や歴史的な方法によって紹介される。植民地時代(1500年-1808年)に当たるポルトガルやスペインの間に行われた南アメリカ大陸の地域支配への争いからブラジルの独立にかけて(1808年)、その地域に移植されたポルトガル文化や官僚制を提示する。ブラジル帝国時代(1822年-1889年)に行われた国家文化の成立、すなわち王国政府の支持によって促された独特な文学や芸術の作成が分析される。立憲君主政から共和国への変転、そして奴隷制廃止以降のブラジル合衆国時代(1889年-1930年)に起こる社会的展開が描写される。結束主義や労働組合主義の出現を伴ったヴァルガス時代(1930年-1945年)、資本主義やリベラリズムが発展したポプリズモ時代(1945年-1964年)、人権侵害が特徴となった軍事独裁政権時代(1964年-1985年)、そして民政移管(1985年)以降のブラジルの歴史を学際的な観点から提示する書籍。(原文英語、485頁)                         

 

書物 2:

『東京ジャズ』

2015年 Multifoco出版社 リオ・デ・ジャネイロ(ブラジル)(小説、原文ポルトガル語、224頁)

1990年代東京のジャズクラブやナイトライフの世界を描く小説。

 

書物 3:

『日本近代詩入門:北原白秋、石川啄木、萩原朔太郎』

2014年 リオ・グランデ・ド・スル連邦大学出版局(原文ポルトガル語、228頁)

日本文学史•近代詩史をポルトガル語で紹介する書籍。日本の新体詩から近代詩の完成まで歴史的アプローチによって提示する作品。ロマン主義の明星派を始め、象徴主義、そして萩原朔太郎が成立した感情派までの歴史的発展を取り扱う。北原白秋(1885年-1942年)、石川啄木(1886年-1912年)、萩原朔太郎(1886年-1942年)の詩と詩論を提示し、それぞれの詩人の主要作品の翻訳が提供される。評論家柄谷行人(1941年生まれ)の作品『日本近代文学の起源』における描写の議論が基礎に日本近代詩史の発展を紹介する研究のテキスト。

 

書物 4:

『カントやナーガールジュナ:解釈学としての哲学の終わりを迎えて』

2008年 L’Harmattan 出版社(パリ、フランス、原文フランス語、324頁)

比較的哲学の分野に当たる書籍。西洋近世哲学と古代インド仏教哲学の比較研究。イマヌエル・カント(1724年-1804年)やナーガールジュナ(龍樹、2世紀頃)の認識論、論理学、そして倫理学の共通点を考察する学術書。カントの『純粋理性批判』(1781年)とナーガールジュナとの『ムーラマディヤマカ・カーリカー』(『根本中頌』)比較的に分析。多元主義、すなわち哲学が総合的な働きであると指摘し、多様性を容認・肯定する原則を主張する。

 

書物 5:

『中南米文学における不条理主義的美学: フアン・カルロス・オネッティ、フリオ・コルタサル、ホセ・ドノソ』

2003年 サラマンカ大学出版局(スペイン)(原文スペイン語、523頁)

不条理主義の演劇と実存主義哲学が現代中南米小説に及ぼす影響の研究。評論家マーティン・エスリンの著書『不条理の演劇』(1962年)によって表される社会批判、実存主義哲学的の内容(孤独、無、自由、絶望などの諸概念)、そしてアバンギャルド(特にシュルレアリスム)の不合理性や潜在意識的表現などの不条理文学を特徴付ける様々な要素が現代中南米小説に見分けられる。小説家フアン・カルロス・オネッティ(1909年-1994年、ウルグアイ)とフリオ・コルタサル(1914年-1984年、アルゼンチン)とホセ・ドノソ(1924年-1996年、チリ)の作品を分析する書籍。

 

学術論文  12編

 

学術論文 1:

「日本のアバンギャルドにおける文化移植の現象」(原文英語)

2016年 本田弘之,松田真希子(編者) 『複言語・複文化時代の日本語教育』(凡人社、2016年10月10日)

日本のアバンギャルド運動や文化移植の概念を考察する論文。日本のアバンギャルド文学の独特な美学が指摘される。辻潤(1884年-1944年)のダダイズムや西脇順三郎(1894年-1982年)のシュルレアリスム等が分析される。(原文英語)

 

学術論文 2:

「萩原朔太郎、仏教的現実主義、と日本近代詩の発達」

2015年 Revista de Estudos Japoneses N. 35 (2015) p.71-103 (サンパウロ大学)

萩原朔太郎の作品における仏教の思想を考察する学術論文。西洋哲学と東洋哲学が萩原朔太郎の詩と詩論にどんな影響をあたるのか、そして近・現代詩の創立にどんな役割を果たすのかという問題が取り上げられる。朔太郎の作品におけるカントやショーペンハウアーの影響が仏教哲学と比較的に分析する論文。(原文英語)

 

学術論文 3:

「ロブ=グリエからフリオ•コルタサルまでの現象学:臨在の詩学について」

2015年 Canadian Review of Comparative Literature、Issue 42.3、September 2015、p. 271–294(カナダ)

文学や哲学の比較研究。中南米文学に焦点を合わせて、エトムント•フッサール(1859年-1938年)やマルティン・ハイデッガー(1889年-1976年)の現象学を分析し、フランス小説家アラン•ロブ=グリエ(1922年-2008年)やアルゼンチン作家フリオ・コルタサル(1914年-1984年)の作品にはその現象学がいかに影響を及ぼすのか、そしてどんな共通点を持つのかということを考察する論文。(原文英語)

 

学術論文 4:

「センザーラや部落を巡って:自然主義文学とブラジルや日本の人権意識発達」

2015年『第六回南ブラジル国際比較文学学会』リオ・グランデ・ド・スル連邦大学出版局、p. 259–272

比較文学・文学と人権の分野に当たる論文。評論家川端俊英(1933年生まれ)の『人権からみた文学の世界』(2014年)や歴史家リン・ハントの『人権を創造する』(2011年)などの作品を通して自然主義文学を国際的現象として取り扱い、20世紀初頭に活躍した日本やブルジルの小説家島崎藤村(1872年-1943年)やアルイージオ・アゼベード(1857年-1913年)の作品をそれらの国における人権の発達という観点から分析する。(原文ポルトガル語)

 

学術論文 5:

「ビジュニャプティ・マートラやビジュニャプティ・マートラター・ヴィバーが:世親哲学の英訳を巡って」

2015年 The Indian International Journal of Buddhist Studies、Vol. 16 (2015) p. 115-150 (インド)

仏教哲学研究の分野に当たる論文。古代インド仏教瑜伽行唯識学派の僧世親(ヴァスバンドゥ)のビジュニャプティ・マートラ」という概念(サンスクリット)の様々な英訳を分析する。英語で行われるヴァスバンドゥ研究の欠点を取り扱う。(原文英語)

 

学術論文 6:

「アウグスト・ドス・アンジョス:詩、苦、高められた存在の意識」

2011年 Cadernos do IL、n. 43、p. 345-353   リオ・グランデ・ド・スル連邦大学(ブラジル)

比較文学ー文学と哲学研究の分野に当たる論文。アウグスト・ドス・アンジョス(1884年–1914年)というブラジルの詩人の作品を仏教哲学や実存主義哲学の観点から分析する。(原文英語)

 

学術論文 7:

「無と芸術の作品:実存現象学と美学の存在論的基盤への比較的考察」

2008年 Philosophy East and West Vol. 58: 2 (2008), p. 244-266 ハワイ大学(アメリカ合衆国)

美学や比較的哲学の分野に当たる論文。「無」の概念が焦点にマルティン・ハイデッガー(1889年–1976年)、ジャン=ポール・サルトル(1905年–1980年)、そして日本哲学者西田幾多郎(1870年-1945年)の作品を比較的に分析し、「無」と芸術の関係を考察する論文。(原文英語)

 

学術論文 9:

「『屍集めのフンタ』:フアン・カルロス・オネッティの作品における不条理やアブジェクションの概念」

2006年 Taller de Letras、n. 38、p. 57-73 チリカトリック大学(チリ)

比較文学・文学と哲学・中南米文学研究に当たる論文。ウルグアイ東方共和国の小説家フアン・カルロス・オネッティ(1909年-1994年)の作品における不条理主義やフランス文学理論家ジュリア・クリステヴァ(1941年に生まれ)が工夫したアブジェクションの概念を考察する。(原文スペイン語)

 

学術論文 10:

「『夜のみだらな鳥』とホセ・ドノソの作品における不条理主義的美学」

2006年 Anuario de Estudios Americanos、vol. 63、p. 233-250 セビリア大学(スペイン)

チリに生まれた小説家ホセ・ドノソ(1924年-1996年)の作品における不条理文学の美学的原則を分析する論文。『夜のみだらな鳥』(1970年)を中心に、ドノソの作風における不条理文学を特徴付ける要素が明らかにされる。評論家マーティン・エスリンの著書『不条理の演劇』(1962年)によって表される社会批判、実存主義哲学的の内容(孤独、無、自由、絶望などの諸概念)、そしてアバンギャルド(特にシュルレアリスム)の不合理性や潜在意識的表現などの不条理文学を特徴付ける様々な要素がドノソの作品に見分けられる。(原文スペイン語)

 

学術論文 11:

「ハイデッガーやフリオ・コルタサルの作品におけるオーセンティシティの概念」

2005年 Revista de Letras、n. 66、p. 11-126 パラナ連邦大学(ブラジル)

比較文学ー文学と哲学研究の分野に当たる論文。ドイツ哲学者マルティン・ハイデッガー(1889年–1976年)の『存在と時間』(1927年)やアルゼンチン作家フリオ・コルタサル(1914年-1984年)の様々な作品を比較分析。(原文スペイン語)

 

学術論文 12:

「疎外的な攻撃:伝統、アバンギャルド、ポストモダニズム」 

2002年 América Latina Hoy、v. 30、p. 19-41 サラマンカ大学(スペイン)

中南米文学研究の分野に当たる論文。人間疎外という、社会の巨大化や複雑化に関わる人間の部品化プロセスを示す概念の観点からラテンアメリカにおける伝統とアバンギャルド・ポストモダニズムとの関係を考察する学術論文エッセー。アルゼンチン作家フリオ・コルタサル(1914年-1984年)のアンチ小説『石蹴り遊び』(1963年)を分析する。(原文スペイン語)

 

大学講座 

講座 1:

「日本現代詩とそのアバンギャルド運動:未来主義、ダダ、超現実主義」2015年 サンパウロ大学(ブラジル)

日本文学史における前衛主義についての大学講座。サンパウロ大学・アジア文学研究科提供。未来主義、ダダ、超現実主義を区別したプレゼンテーションを通し、与謝野鉄幹(1873年-1935年)や高村光太郎(1883年-1956年)の作品における未来主義の美学的原則、辻潤(1884年-1944年)や高橋新吉(1901年– 1987年)のダダイズム、そして瀧口修造(1903年– 1979年)や西脇順三郎(1894年-1982年)等のシュルレアリスムを提示する。日本のダダと仏教との関係をも提示する大学講座。

 

講座 2:

「現代ラテンアメリカ小説における不条理主義的美学」2004年 サラマンカ大学 イベリア・アメリカ研究所(スペイン)

中南米文学研究の分野に当たる大学・大学院講座。サラマンカ大学イベリア・アメリカ研究所(スペイン)提供。コーノ・スール(南アメリカ最南端の国の地域を指す地理的範囲)文学における実存主義哲学の影響を提示する。アルゼンチン作家フリオ・コルタサル(1914年-1984年)や、チリに生まれた小説家ホセ・ドノソ(1924年-1996年)とウルグアイの小説家フアン・カルロス・オネッティ(1909年-1994年)などの作品を中心に、これらの代表作家が受けた実存主義の影響を提示する。

 

講座 3:

「二十世紀中南米小説入門」 2003年 パラナ・カトリック大学文学学科(ブラジル)

十九世紀後半から二十世紀末までにかける中南米小説の歴史を提示する大学講座。パラナ・カトリック大学・文学学科(ブラジル)提供。アルゼンチン作家ドミンゴ・ファウスティノ・サルミエント(1811年–1888年)のクリエイティブ・ノンフィクション作品『ファクンド:文明と野蛮性』(1845年)が出発点として、コロンビアの小説家ホセ・エウスタージオ・リベーラ(1888年–1928年)の代表作『ラ・ボラーヒネ』(1924年)、アルゼンチン作家リカールド・ギラールデス(1886年–1927年)の『ドン・セグンド・ソンブラ』(1926年)、とベネズエラ小説家ロームロ・ガリエゴス(1884年–1969年)の『ドニア・バールバラ』(1929年)等の1920年代中南米文学カノンにおける代表作品を分析する。次いでに実存主義文学や魔術的リアリズムの登場を考察し、ラテンアメリカブームを提示する。アレホ・カルペンティエル(1904年–1980年、キューバ)、ガブリエル・ガルシア・マルケス(1928年–2014年、コロンビア)、カルロス・フエンテス(1928年–2012年、メキシコ)等の作品が提示される。

 

学会発表

 

発表 1:

「フリオ・コルタサルの作品における不条理主義的美学」

2018年5月 「第30回 日本・スペイン・ラテンアメリカ学会」同志社大学、京都

チリに生まれたアバンギャルド詩人ビセンテ・ウイドブロ (Vicente Huidobro, 1893–1948) の詩論を取り上げる学会発表。

ビセンテ・ウイドブロ が創設した「創造主義 créationnisme 」という文学運動とその根拠となる詩論をカント哲学・美学との比較研究を中心に、文学と哲学にいたる学会発表。創造主義と超現実主義との対立というテーマも扱われている。

 

発表 2:

「日本のアバンギャルドにおける文化移植の現象」

2015年8月 サンパウロ大学 「国際語としての日本語に関する国際シンポジウム」(ブラジル)

キューバ評論家フェルナンド・オルチース(1904年–1980年)が工夫した文化移植(トランス・クルチュレーション)の概念が基礎に二十世紀初頭から活躍する日本の前衛主義運動の独創性を主張する研究発表。詩人辻潤(1884年-1944年)、北園克衛(1902年-1978年)、高橋新吉(1901年– 1987年)等のダダイズト、そして瀧口修造(1903年– 1979年)、西脇順三郎(1894年-1982年)等の超現実主義が仏教認識論の影響を受けた上で新しい、独創的なアバンギャルド表現を産生すると主張する。

 

発表 3:

「センザーラや部落を巡って:自然主義文学とブラジルや日本の人権意識」

2014年10月 「第六回南ブラジル比較文学学会」リオ・グランデ・ド・スル連邦大学 (ブラジル)

比較文学・文学と人権の分野に当たる学会発表。上述した同じタイトルの学術論文(原文ポルトガル語、『第六回南ブラジル国際比較文学学会』に発行)と同等の内容。

 

発表 4:

「フッサールからハイデッガーまで: ロブ=グリエやフリオ・コルタサルの作品における現象学の諸相」

2014年5月 「第二回国際言語・文学・文化プロセス学会」カシアス・ド・スル大学 (ブラジル)

比較文学•文学と哲学研究の分野に当たる学会発表。上述した学術論文「ロブ=グリエからフリオ・コルタサルまでの現象学:臨在の詩学について」(原文英語、Canadian Review of Comparative Literature、カナダ、に発行)と関連。ドイツ哲学者エトムント・フッサール(1859年-1938年)や、マルティン・ハイデッガー(1889-1976年)の現象学を分析した上、フランス小説家アラン・ロブ=グリエ(1922年-2008年)やアルゼンチン作家フリオ・コルタサル(1914年-1984年)の作品にはその現象学がいかに影響を及ぼすのか、そしてどんな共通点を持つのかということを述べた発表である

 

発表 5:

「シルクロードに沿って:東アジアへの仏教伝来における翻訳の役割」

2013年9月 「第十一回ブラジル国際翻訳学会」サンタ・カテリーナ連邦大学(ブラジル)

翻訳研究・翻訳の歴史・仏教研究の分野に当たる学会発表。亀茲国(きじこく)の西域僧鳩摩羅什(クマーラジーバ、344年-413年)や支婁迦讖(しるかせん、ローカクシェーマ、147年頃-没年不詳)の活躍が基礎に、シルクロードに導かれた仏教の東アジアへの伝来に当たる翻訳の役割を提示した学会発表。

 

発表 6:

「日本近代詩と萩原朔太郎の作品」

2012年9月 「第九回ブラジル日本研究国際学会」     パラナ連邦大学 (ブラジル)

萩原朔太郎(1886年-1942年)の代表作品『月に吠える』(1917年)を中心に口語自由詩の完成によって日本近代詩の成立と展開を提示した学会発表。萩原朔太郎が受けた哲学の影響、すなわち歌にも現れるカントやショーペンハウアーの差し響きに焦点を合わせ、日本近代詩と西洋哲学の関係を考察する研究の発表。

 

発表 7:

「東から昇って:民族性とブラジルにおける日本移民者の芸術貢献」

2011年 9月 「国際学会二十一世紀ブラジル: 多民族国家の新見通し」コペンハーゲン大学 (デンマーク)

デンマーク、コペンハーゲン大学で開催された国際学会、二十一世紀ブラジル: 多民族国家の新見通し、組織委員会のメンバー。ブラジルの日本移民史についての学会発表。ブラジルにおける日本移民者の芸術貢献に関する代表的な日系ブラジル人画家マナブ間部(1924年-1997年)、大竹富江(1913年–2015年)、田中フラビオ駟郎(1928年)等の作品を提示し、日系ブラジル人画家によってブラジルにおける抽象印象派の伝来や展開を指摘する。日系ブラジル人によっての映画や建築(チズカ・ヤマザキ、1949年生まれやルイ・オオタケ、1938年生まれの作品など)にも触れる学会発表である。

 

発表 8:

「東から昇って:民族性とブラジルにおける日本移民者の芸術貢献」

2011年9月 「デンマーク・ブラジル研究国際学会」  オーフス大学(デンマーク)

上述したコペンハーゲン大学の発表と同じ内容。デンマークの地理的な中心部に位置するオーフス市、オーフス大学に行われたデンマーク・ブラジル研究国際学会、研究発表。   

 

発表 9:

「日本伝統音楽の美学」

2011年3月「第七回日本移民記念式」リオ・グランデ・ド・ スル連邦大学(ブラジル)

日本伝統音楽の様々な美学的要素を考察する研究発表。儀式に基づいた雅楽の合奏表現、仏教の瞑想に関わる声明や尺八の吹禅、古典文学に繋がる琵琶法師の演芸、神楽や演劇と関係を持つ能楽の技術、江戸時代の風俗と「いき」の美学的観念に関わる三曲、それぞれの音楽や楽器が提示され、「物の哀れ」、「わびさび」、「いき」等の日本美学概念を紹介する研究発表。

 

発表 10:

「フアン・カルロス・オネッティ文学と詩的経験の絶対的な真理」

2009年7月 「フアン・カルロス・オネッティ文学国際シンポジウム」サンタ・カテリーナ連邦大学 (ブラジル)

比較文学・文学と哲学研究の分野に当たる学会発表。ウルグアイに生まれた小説家フアン・カルロス・オネッティ(1909年-1994年)の作品を実存主義の影響の観点から考察する研究発表。詩的経験の絶対的な真理は現実を直接に認識する意識の作業の結果であり、オネッティ文学がその現実へのアプローチを描写によって完成するということを主張する学会発表。

 

発表 11:

「フリオ・コルタサルの作品における不条理主義的美学」

2004年5月 「フリオ・コルタサル文学国際シンポジウム」パラナ連邦大学 (ブラジル)

アルゼンチン作家フリオ・コルタサル(1914年-1984年)の『石蹴り遊び』や『ウン・タル・ルカス』(1979年)等の作品が中心に不条理文学の様々な美学的要素を提示する学会の発表。不条理文学と「意識の流れ」という文学手法との関係をも説き明かすプレゼンテーション。中南米小説が受ける不条理演劇の影響を提示する。

 

大学講演

講演 1:

「日本近代詩入門:北原白秋、石川啄木、萩原朔太郎」

2014年5月 サンパウロ大学 (ブラジル)

サンパウロ大学・アジア文学研究科提供の講演会。上述した同じタイトルの著書のプレゼンテーション。日本の新体詩から近代詩までの歴史的アプローチによって北原白秋(1885年-1942年)、石川啄木(1886年-1912年)、萩原朔太郎(1886年-1942年)の詩と詩論を提示する。

 

講演 2:

「エズラ・パウンドと北園克衛:英米モダニズムから日本のアバンギャルドまで」

2015年5月 サンパウロ大学 (ブラジル)

サンパウロ大学・アジア文学研究科提供の講演会。二十世紀英米モダニズムと日本のアバンギャルドの交流に焦点を合わせる研究発表。エズラ・パウンド(1885年-1972年)や北園克衛(1902年-1978年)が数年にかけて文学上の友情を進めたのである。その総合影響を、そして二人のモダニズムの代表的な詩人の活躍を比較文学手法の観点から提示する研究発表。

 

講演 3:

「エズラ・パウンドと北園克衛:英米モダニズムから日本のアバンギャルドまで」

2015年5月 パラナ連邦大学 (ブラジル)

上述した同じタイトルの発表の反復。パラナ連邦大学・日本学科提供の講演会。

 

講演 4:

「萩原朔太郎とショーペンハウアー: 意志の詩的な表現を探って」

2015年5月 サンパウロ大学 (ブラジル)

比較文学・文学と哲学研究の分野に当たる発表。サンパウロ大学・アジア文学研究科提供の講演。萩原朔太郎(1886年-1942年)が受けたアルトゥル・ショーペンハウアー1788年-1860年)の影響を考察する研究発表。『意志と表象としての世界』(1819年)を中心に、実存主義の先駆とも思われるショーペンハウアーの悲観性が萩原朔太郎の成熟期作品(青猫、1923年など)にどんな作風によって現れるのかということを取り扱う講演。ショーペンハウアーのインド哲学の影響と萩原朔太郎の仏教への姿勢というテーマにも触れる研究。

 

講演 5:

「都市の近代化を祭る:萩原朔太郎や萩原恭次郎の作品における都会のイメージ」

2015年5月 サンパウロ大学 (ブラジル)

日本モダニズム研究の分野に当たる発表。サンパウロ大学・アジア文学研究科提供の講演。萩原朔太郎(1886年-1942年)や萩原恭次郎(1899年-1938年)の交際や友情、そして二人ともが群馬県出身であるという観点から考察した二人詩人の都会への関心や描かれたイメージ。萩原恭次郎の『猫町』(1935年)や萩原恭次郎の『死刑宣言』(1925年)を比較した上で日本の近代化を考察する発表。

 

一般雑誌・新聞記事

記事1

「燃えている日本の女性たち」2015年8月 Jornal Rascunho, n. 184, Agosto 2015, p. 34-36.(ブラジル)

小野小町、和泉式部、与謝野晶子について(一般学術雑誌掲載論文、原文ポルトガル語)

記事2

「人間のもっとも深いところに」2004年8月 Jornal Rascunho, Abril 2004, p. 15(ブラジル)

ウルグアイ小説家フアン・カルロス・オネッティ(1909年-1994年)の作品について(一般学術雑誌掲載論文、原文ポルトガル語)

記事3

「時代に遅れたフェミニズム」2004年4月 Jornal Rascunho, Abril 2004, p. 15(ブラジル)

ウルグアイ小説家フアン・カルロス・オネッティ(1909年-1994年)の作品について(一般学術雑誌掲載論文、原文ポルトガル語) 

記事4

「プイグ、キッチュ、ポストモダニズム」2004年1月 Jornal Rascunho, Janeiro 2004, p. 18(ブラジル)

アルゼンチン小説家マヌエル・プイグ(1932年-1990年)の作品について(一般学術雑誌掲載論文、原文ポルトガル語)